ジーザス 恐怖のバイオモンスター

感想

1989年に発売された「ジーザス 恐怖のバイオモンスター」です。

パソコンゲームからの移植作品で、元々のタイトルは「ジーザス」のみだったようです。
なんでこんなサブタイトルつけちゃったかなぁ~というのが、第一印象。
正直なところ「陳腐」です、はい。
でも、子供心にはそそられるものがあった...かな?

サブタイトルはこのくらいで、それではゲーム本編について。

コマンド選択式のアドベンチャーゲームです。
ポートピアや神宮寺と同じですね。ファミコン時代には多く見られたのに、 スーパーファミコンになってから(残念ながら)まったくと言っていいほど見なくなってしまった形式のゲーム。
個人的には大好きなんですけどねぇ。

ストーリーは、
ハレー彗星が地球に接近するので、どんな星なのか調べてみよう!
というもの。
当時は、確かにハレー彗星が地球に大接近!と言って話題になりましたが、どうってことなく過ぎ去りました(苦笑
2016年現在からすると、流石に古臭い話題ですが、今から30年前のゲームなので、そこは至極当然ということで。
この頃、ハレー彗星接近を扱ったものが巷に溢れていたような気がします。
映画や漫画、雑誌にも特集が組まれたり。
「ハレー彗星がどんな星か?」ということよりも、「接近することによって地球に悪影響を及ぼす!」という題材のものが多く、 結構怖かった思い出もあるような無いような......。

この「ジーザス」というのは宇宙船の名前で、その中に「コメット」「ころな」という探索機が2機搭載されていて、 主人公「はやお」は「ころな」の乗組員。
コメット・ころな双方の乗組員は、ゲーム開始時に紹介されますが、その紹介の仕方が上手い!
ジーザス内にいる搭乗メンバーに、はやお(自分)がパスカードを配る、ということで自然と人物紹介がされています。

その後、コメットが先に出発し彗星に接近、しかしそこで事件が発生、 それを操作するためにはやおはコメットへと乗り組むのでした。

ストーリーが宇宙空間で起こった事件ということもあり、かなりシリアス。 のはずなんですが、わりとおちゃらけな部分もあり、シリアス一辺倒ではありません。
これは、ジーザスのマスコットロボット、フォジーの存在が大きいですね。 ロボットなのでとても知識が豊富。なのに言動が少し抜けているところが面白い。
沈着冷静なロボットもいいのですが、フォジーやスナッチャーのメタルといった、 どこか可愛げのある(少し間の抜けた)ロボットもまた魅力的です。

ストーリーとしては、どこかで聞いたことのあるような、 ありがちと言えばありがちな話なのですが、それでも面白い!

オープニングさえも伏線というかヒントになっているあたり、本当に演出、音楽が巧みです。
コメット内を移動中の「ブゥーン、ブゥーン」という音が無機質な感じが出ていて、非常に怖い。
ゲーム中に銃を撃つシーンがあるのですが、 パスワードを入力するときの「バシューン」も同じ音。 これも面白い演出だと思いました。