桃太郎伝説 2

オープニング

桃太郎が鬼ヶ島へ鬼退治に出かけてから3年の年月が過ぎ...
どの村の人たちも、明るく楽しくまじめに暮らしていました。

でも...
鬼ヶ島のずっとずっと下の地獄では、鬼の中でも一番偉い地獄王が...

「人間ごときに負けて帰って来ただと!
しかも!
愛だの!友情だの!勇気だの!
どこでそんなつまらぬ言葉を覚えてきたのだ!
愛など、悲しみや苦しみを生むだけの邪魔なものだ!
友情など、弱い人間どもが暮らすための屁理屈に過ぎん
勇気など、力の無いものがすぐ口に出す、気休めの言葉でしかない!
愛や友情や勇気など、この世にありはしないのだ!
人間どものような虫けらにたぶらかされて帰ってくるとは何事だ!
虫けらに負けた理由を、愛だの勇気などで誤魔化すつもりか!
行け!もう一度行け!
人間どもを倒し、愛と勇気が要らぬものだと教えて来い!」

こうして、地獄王の命令で再び鬼たちが村人を苦しめ始めたのです。

そんなある日...

「そうかそうか!桃太郎!
また鬼退治に出かけるのか!
わしとばあさんは寂しくなってしまうが、世のため人のため働くことは良いことじゃ。
うんうん!
鬼に苦しめられている村の人たちは、お前を待ちわびているじゃろうて!
桃太郎!行っておあげ!」