定吉七番 秀吉の黄金

感想(ネタバレ)

全体を通して、テンポがよく面白くて、さらにボリュームもあって、 私のお気に入りのゲームの一つとなった定吉七番です。

サイフどんの店にある大福帳に「ブンコ本もよろしく!」と書いてあったり、食堂のおっちゃんのスマイルが有料だったりと、 細かいところにまでネタを仕込んである感がするのですが、それを特に強く感じたのが4章。

あまり乗客に話しかけなくても物語は進むのですが、話しかけてもきちんとメッセージが用意されています。

偽物の車掌が持っている「ハサミ」について言及していたり、本物の車掌(仲間)のハサミが使い込まれていたりと、芸が細かい。

しかし、話の流れ上、仕方ないのでしょうけれど 初回プレイ時に一箇所だけ気になった点が。
「ミニくまで」を見せてもいないのにペラペラと話しかけてくるやつに、重要な古文書を渡すんじゃないよ!
諜報員失格!
あの車掌は、出会ったときから偽者だと気づきます。次に出会う味方の車掌さんを待たずして。
だって、それまでにも喫茶店のマスターの「くまでを見るまでは話さない」という台詞があったし。
このわざとらしさもまた演出の一つなのでしょうけどね。

また、小淵沢の駅で弁当を食べるときも、毒入りのカツ丼を食べるのは定吉かサイフどんのどちらか。 そう、キクちゃんは食べないのです。
後々になってこの意味が分かるのがまた面白い。

有名人のパロディネタも散りばめられていますし、ボケもツッコミも盛りだくさん。

しかし、だからこそ、喫茶バタリアンが襲われたり、車掌が殺されたりという血生臭さとのギャップが凄くて...。
喫茶バタリアンが襲われた後の封筒や壁にも笑いどころがあるのですが、そんな状況じゃない...。
でも、この状況の「ほめる」に用意されていたメッセージが心にジーンときます。

博物館での対コマンドー戦も腰が砕けました(笑
着物や掛け軸で、どうやって戦うんだよ(笑
しかし、その後の爆発がまたギャップが凄くて...。

おちゃらけ要素とシリアス要素との差がありすぎて、めまぐるしく展開していく物語に少し動揺してしまいましたが、 それがスピード感、テンポのよさとなっているんだと思います。

ただ、説明書が...。
「オフィシャルハンドブック」と書かれている説明書、表紙を入れても12ページ。 ファミコンとはサイズが違うとはいえ、もう少しボリュームが欲しかった気がします。
「序章」の注釈も、ページ数(スペース)削減のためか順番がばらばら。
最初に出てきた「*」は「北大西洋条約機構」に付いているのですが、*印解説の最初の項は「秘密結社」。
数が少ないので、すぐにどれなのかは分かるのですが、気になってしまいました。

ちなみに、この「序章」にも」さらっと物凄いことが書いてあって、面白いです。

それにしても、大阪人の納豆に対する嫌悪感は凄まじい(笑
納豆を(好んで)食べている人は、イメージとして極少数派ですが、実際には多くいるのでしょうけれどね。

感想
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