AKIRA

感想

少し前に、AKIRAの世界でオリンピックが東京で行われる年に、実際に東京オリンピックが開かれるというのが話題になっていました。
なので、今回かなり久しぶりにプレイ。

発売当時、何の雑誌だったかは忘れてしまいましたが、そこにゲーム冒頭の「俺たち、健康優良不良少年だぜ!」のシーンが載っていて、 その台詞とその画像がとても魅力的でやってみたかったゲームです。

それからしばらくして、同級生の家にあったのでそれを貸してもらいクリアしました。
後にその同級生からはラストハルマゲドンも貸してもらいましたが、こちらは...。

さて、AKIRAに話を戻しますが、そう、クリアはしたんです、出来たんです。

しかし、話の内容がさっぱり意味不明で、なんとな~く雰囲気は掴めたのですがクリアしても頭の中は「???」ばかり。 雑誌の紹介文が「あのAKIRAがファミコンに!!」という感じだったので原作があるっぽいのは分かっていましたが、 読んだ(見た)ことが無かったのでどんな物語なのか知らずにプレイ。

う~ん、話がさっぱり分からん。

何となくは分かりましたし、面白くもありました、ストーリーは。
しかし、ゲームとしてはテンポが悪い。 メッセージスピードは遅い、というほどではないのですが選べると良かったです。 実際に話しているスピードとして表現したかったのかもしれませんが、同じメッセージを何度も見ることになるゲームでこれは辛い。 長いセリフもありますし。

また、コマンドをキャンセルできないというのが辛い!
「きく」を選択後、やっぱり止めようと思い直し、他のゲームの癖でBボタンを押してキャンセルしようとするとパスワードを聞く画面になります。 そして、この画面を出すとパスワードを聞かずに「ゲームを続ける」にしても、そのシーンの最初からになってしまいます。
場面が切り替わった直後ならまだしも、その場面でいくつかコマンドを選択し話を進めた後だと同じことを再度やり直さなければなりません。
これが非常に面倒なんですが、ただ、これは私の「Bボタンでキャンセルする癖」のせいなのでシステム的によろしくないとは言えません。 言えませんが、そもそもキャンセルが無い時点で不親切です。
保護的解釈をすれば、一度決めたことをキャンセル出来るような余裕のある状況じゃない、というような世界ですので致し方ないのかもしれませんが...。
いやいや、そもそも「きく」にしたけどやっぱり止めて「しらべる」にしよう、っていうのはよくあることじゃん!
まだ聞いてないんだから!

そしてゲームオーバーが多いです。
それこそ、確かに切迫した状況が多いので、判断を少しでも間違えると取り返しのつかないことになるのは分かります。
それでも厳しすぎるなぁ。
ゲームオーバーになっても、その直前からやり直せるのでまだ救いがありますが。

物語は容量の制約上かなり省略されているのでしょう、展開が早すぎて前述のとおりさっぱり分かりません。 けれど、こういう原作ありきのゲームって、元々の作品を知っているのを前提に作られているだろうから、ストーリを端折るのは分かります。 聖闘士星矢なんか原作を知らないとクリアできませんし。
これがまさかのアクションゲームだったりバイクレースだったりするよりは(途中でガンシューティングはありましたが)、 ストーリーをなぞっていくアドベンチャーゲームだったのはいいと思います。

それからしばらくして(夏休み中だったと思いますが)テレビで見たAKIRAの映画で多少は補完出来ました。
テレビをつけたらなんとなく見たことのあるシーンが映り、「あれ?これってもしかしてAKIRA?」 と思いテレビを眺めていたら、ゲームに出てくる登場人物たちが次々と現れてきました。
「パスワードを教えてくれる婆さんは何者なんだ?」と思っていましたが、映画に出てきたので「あぁ、この人か」と理解出来ました。
(途中からですが)映画を見てようやく話がなんとな~く分かりました。
AKIRA」作品でよく目にする、ゲームのあのオープニング画面の意味も。
映画の方もかなり足早に物語が進んでいきますが、そこはやはりゲームとは違い細かな所まで説明されていたと思います。
「彼」のあの大きくなるシーンなんかはゲーム中だとかなり唐突だったのですが、映画ではきちんと説明されていたような記憶があります。 ゲームと映画とでは、音楽やこのシーンの演出やセリフが違ったor同じだった、などの細かいところはもう全く覚えてはいませんが(汗
そもそも大昔過ぎてあの巨大化シーンしか覚えていない(汗

ゲームをやって「面白そう」、映画を見て「面白い」、と、ようやくAKIRAの魅力が分かってきたのですが、原作は読んだことがなく、 未だに読んでいません。
古本屋で売っているのを見ることはよくあるのですが、全巻揃っていることが無く、さらに大きいので置き場所に困る...。 電子書籍という手段もありますが、何度も細部まで見て読んでみたくなる作品なので実際に手に取って読みたいところ。 原作を知っていてやる分には申し分無かったんだろうと思います、ゲーム内で説明されないところも脳内で補完できるので。

それと、この時代のファミコンゲームとしてはかなり珍しかったのではないでしょうか、 ゲームオーバーだけでなくエンディングも多いです。
そのどれもが世界観を損なっていないのは、やはり作者自身が携わっているからなのでしょうか。

大昔にプレイしたときに見たエンディングはどれだったかさっぱり覚えていませんが、当時はマルチエンディングなんてことを知らなかったので、 エンディングを1つ見てクリアした気になっていたと思います。
あっさり終わった、と思っていましたが結構奥が深いゲームでした。

エンディングの話の後になんですが、オープニングの流れてくる文字や画像の演出がとてもとても格好いいんです。
画像も文字も大きくバーンと表示され、それらが次々と表示された後にプロローグとして かねだ達とアーミー、そして謎の人物「タカシ」との遭遇シーンが始まります。

それと多分これは原作の通りだと思うのですが、かねだの台詞の端々にカタカナが使われているのが、 彼の性格というか人間性を上手に現わしていると思います。
「仲間がケガしてるんスよー。」
の「ケガ」とか「してるんスよ」とか。

と思いましたが、アーミーも「アイツ」とか「タイホ」とかカタカナを使ってましたね。
また、コマンドも「~~のコト」と「事」を「こと」ではなく「コト」と表示しています。

もう一度映画をきちんと見返したくなりましたし、原作も是非読んでみたいですね。

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