感想
前々作「京都龍の寺殺人事件」、前作「京都花の密室殺人事件」に続く 「山村美紗サスペンス」の3作目「京都財テク殺人事件」です。
今回は前2作とは違い、タイトーからではなくヘクトからの発売です。
そのためなのかは分かりませんが、グラフィックがかなり違います。
劇画調だった前2作に対し、今作はアニメ調・ゲーム調になっています。
また、ゲームシステムもアイコンを選択するタイプからコマンドを選択するタイプに変わっています。
登場人物のグラフィックも顔のアップから上半身、全身像になっています。
そして、何よりも違うと思ったのがキャサリンが登場しません。
ということでカフェ・ド・ミサも出てきません。
これは寂しい...のですが、メーカーのせいというわけではなく、シナリオがそうだったのだから仕方ありませんね。
そのシナリオ、今回も舞台は京都です。「京都財テク殺人事件」なのだから当然なのですが、あまり京都という感じがしません。
唯一それっぽいのはゲーム開始直後の事件現場「南禅寺」くらいでしょうか。
それ以外の場所は別段京都という感じはせず、舞台が京都でなくても話は成立しそうです。
事件には株が重要なポイントになってくるので、多少なら分かるのですが、とにかく株式用語に関する説明に力が入っています。
証券会社に行くと「調べる - 用語」というコマンドが出てくるのですが、ここで一般的にはあまり馴染みのない株式用語を調べることが出来ます。
例えば「おしめ」は、
じょうしょうけいこうの かぶが、いちじてきに
さがったときで、かいどき。
(上昇傾向の株が、一時的に下がったときで、買い時)
といった具合です。
シナリオはさすがといったところで、怪しい人物が次々と登場し、そして消え、二転三転していきます。
面白いですねぇ。
証券会社の登場人物、名前はそれぞれ「あずま」「きたい」「みなみ」「にしかわ」、東北南西という風に方角がついています。
さらに、プレイヤーの友人は「なつこ」、証券会社で出会うのは「ふゆみ」......秋と春はいたかなぁ?
そういえば、キャサリンは出てきませんが、かりや警部は出てきます。 ここでシリーズ作だというのを再認識できました。
シナリオは面白かったのですが、ちょっと気になることが。
捜査の区切りがつくと「てんぐや」という喫茶店(?)で推理することになるのですが、
このとき、てんぐやのマスターが自分なりの推理を聞かせてくれる場合があります。
しかし、それを一つも聞かなくても事件は解決します。
一回くらいは聞いてあげてもいいじゃん(苦笑)