ラストハルマゲドン

感想

魔族が主人公というなかなか面白い趣向のラストハルマゲドン
直訳すると「最後の最終戦争」って、なんだか「一番最後」みたいなむず痒さがありますが、オープニングを見るとなんとなくその意味が分かります。

舞台は、人類が滅び去った後の地球、ようやく自分達の時代が来たと地表に出る魔族達。 そこを襲撃したエイリアン。
地球を自分たちの植民地ならぬ植民星にすると言い出し、魔族達に自分たちに従うかどうか決断を迫ってきます。 そんな言葉には従えないと魔族達は戦いを決意。

そして
「今、地球の運命を決める新たな
そして最後の 戦いが始まろうとしている。」

う~~~ん、かっこいい!

時代なんでしょうけれど、やはり「1999年、恐怖の大王が降ってくる」というノストラダムスの大予言の影響が少なからず見えます。
北斗の拳もそうでしたし飛ぶ教室他、当時は結構世紀末というか破滅に向かっている感のある、もしくは破滅した後の世界を舞台にした物語が多くあったと思いますが、 このラストハルマゲドンもその一つではないでしょうか。

それにしても、人間が滅び去った後に「自分達の時代が来た」と出てきたのが魔族って...。
魔族の方が人間よりも強そうなのに(苦笑

魔族なのでもちろんですが、「地球を救う」という名目ではなく、「自分たちに従え」という要求が気に入らないためにエイリアンとの対決を決意します。
うん、そうだよね、魔族だもんね!

世界観は素敵なのですが、う~ん、システム的には......。
元がパソコンゲームということもあり、結構不親切。 そこは、ファミコンに移植する際に親切設計にしてもよかったんじゃないかなぁ。
特に気になったのがコマンド回り。 とにかく決定する回数が多いんです。
見る-誰-何を
はまだ分かる。
でも、新しく装備するにはまず今装備しているものを外さなければいけない、なんて面倒くせぇよ!
戦闘中も、コマンドをやり直そうと思うと「テイセイ(訂正)」を選択し、一人目からまたやり直し。 お~い、もっと古いWizardryでも「前に戻る」があるぞー!
隊列も4人(4名)から順番に選んでいくのですが、選んだメンバーが消えずに残るので、誤って同じメンバーを選んでしまうこともありますし、 間違って選択しても訂正なんかはもちろんできません。

ステータスも一覧表示ではなく、体力、攻撃力、魔力などの見たいステータスを一つ選択してそれのみの現在の数値、レベル、次のレベルに必要な経験値が表示します。

それと、誤字脱字が多いのも気になります。
オープニングから「我等が調べればならん」なんてのがあったり(「調べねばならん」だろ!)、文末に句点があったりなかったり、「炎(ほのお)」が「ほのう」だったり...。 しかも、「ほのお」と「ほのう」が混在しているところがまた(苦笑
極めつきはステータス画面、「レ゛ベル」ってなんだよ!
そのすぐ下には「レベル」って普通に書いてあるのに!!
文頭の字下げ(一文字空白を開ける)もあったりなかったり、って、そもそも表示エリアが狭いんだからいらんだろ...。
変なところに空白があったり欲しいところに無かったり、平仮名だけだと読みにくいんですよね、長文は。
文末が単語の途中で終わっていてもいいんだけど、読点使えるんなら使ってよ...。
会話の閉じ括弧もあったりなかったり、とにかく色々と仕様が統一されていない感がすごい。

なんて、ここまで書いておいて自分の文章はどうなんだろう、って心配になってしまいましたが、 そこは、まぁ...,、あれです、商品じゃないから(震え声

売りは衝撃のラスト!
確かにシナリオは秀逸、ではありますがあの映画「なんとかの惑星」ぽいと言ってしまえばそれまでか...。

あとこれは個人的な趣向によるものなので参考にはならないと思いますが、とにかくマッピングしてて面白くなかった。
扉はまるで意味がないものだし、2D、3D共にマップはただ広いだけでイベントは少ないし、3Dダンジョンはくねくねしていて歩きにくいだけで面白みに欠けるし。
でも、これも時代なんでしょうね。 すぐクリア出来たらボリュームが少ないって言われた時代ですから。
でも、こういう感じで時間稼ぎしなくても...、と思ったりもしました。

遥か大昔、子供のころに同級生に借りてプレイしたときにはさっぱり訳が分からず、必本だったかマル勝だったかに載っていた「防御しているとステータスが上がるよ!」という記事を そのまま実行していて、謎解きはまったくしていなかったんですよねぇ。
そんな感じでプレイしていたので全然面白くもなく(そもそも戦闘が面白くない)、サルバンの破砕日パーティに出会う前に返しました(苦笑
いつかまたやりたいと思っていたので、今回最後までプレイできたのは良かったです。

でも、石板巡りで何度も回りなおしたり、あっちの世界で感情を取り戻すために時間調整したり、というのはしんどかった...。

エンディングを見たときの衝撃は、きっとリアルタイムだったらものすごいものがあったんでしょうね。
発売から何十年もたってからプレイしたにもかかわらず、衝撃を受けたので。

ただ、誤字脱字やバグ(とは言えないような初歩的なプログラムミス)が多すぎて萎えます...。
これは、元がそうなのか、それとも移植した会社が悪いのか。 一方通行の壁さえも「これってプログラムミスなんじゃない?」と思ってしまうくらいにひどい。 3Dダンジョンで、手前に壁があるにもかかわらずその奥が見えてしまったり、階段の位置が上と下とでずれていたりと、かなりお粗末です。

あとはやっぱり「レ゛ベル」でしょうねぇ(苦笑

「エトナひめん」よりも酷いって!
あっちはその時だけのメッセージだからまだ見逃したのはわかるけど、こっちは何度も見るステータス画面だっての!

えと、ゲーム自体は面白いです、シナリオは特に。
先へと進めるのはかなり面倒ですが。

元々の開発、販売会社のブレイングレイが喧嘩別れしたようなのでEGGでの配信は絶望的っぽく、残念ながら今後移植される可能性も全くといっていいほど無いようです。