東方見文録

オープニング

私の名は トウホウケン ブンロク という
私は東南アジア大学歴史工学部旅行学科4回生である

私の研究テーマはシルクロードにおける素粒子の分裂による時空間旅行である

私は世の為人の為に 苦労に苦労を重ねてきたわけではない
私の夢は代官山で日本一の雑貨屋さんを営むことにある、私の家は代々商人である
東方見聞録によると日本は過去において黄金の国であったらしい、 私の4年間の研究により、 まんざらそれは真実であると私は確信する
それでは 早速1275年のベニスと卒業旅行と洒落込むとしよう
私の敬愛するマルコポーロ大先生に会うためだ

そうしてブンロクは秋葉原買った、格安日用雑貨を、背中に山ほど背負って タイムマシーンで1275年の東方見聞録世界へ旅立つのでした・・・・

1275年の地中海では 父 ニコロと 息子 マルコが アークルを目指し、ハーンの命を受け、キリスト教伝授の為、航海をしておりました

ニコロ「もーすぐアークルじゃ、法王選出は、まだ決まらんようじゃ
とりあえずデオパルトに会ってキリストの墓の聖油を貰おう

マルコ「父上、デオパルトってどんな人ですか

ニコロ「デオパルトか デオパルトとは 今 ローマ教会でもっとも、法王候補として有力な、男じゃ、 このまま帰ったのでは、ハーン様に言い訳が立たん、 手ぶらで、ヌケヌケ帰ったのでは どんな目に遭わされるか分からんからのう

マルコ「ハーン様とは、そんな、恐ろしい人なのですか

ニコロ「オーそうだとも、大した権力を持っておる、東洋の大王じゃ

マルコ「ハーン様の国はどの辺にあるの

ニコロ「ハーン様の国はな、元国と言って、東の果てにあるのじゃ

その時でした、船全体が揺らぎ始めたのです

マルコ「父上・・・・

ニコロ「マルコ、何事じゃ、羅針盤の針が狂ったように回っておる

マルコ「父上、海図が光りました

ニコロ「海図の地形が、変わってゆくぞ ジパングが大きくなってゆく 何事じゃ・・・・

海図の上の地形がどんどん変化していきます、 ジパングが拡大し始めました、そのとき 激しい音と共に、妙な身なりの男が出現しました

ブンロク「シュワチュ

ニコロ「だ、誰じゃ

ブンロク「チャオー毎度未来のジパングよりやってきました トウホウケン ブンロクと申します 商人でごぜーます

ニコロ「ヒュエー こ、腰が抜けた

父 ニコロは、腰が抜けて背が低くなりました

ブンロク「あなた達は、ニコロさんとマルコさんですね、私も商人です 仲間に入れてくだせー
私を是非とも、お供に連れて行ってくだせー

ニコロ「どーでもよいが、ワシは腰が抜けて、歩けなくなった、この子を連れて、元国まで、ワシの代わりに行ってきておくれ

ブンロク「ハーイ、合点承知ダーイ オーケ、オーケ、エム、エイチ、ケー

ニコロ「・・・・・・・
マルコ、私はこんな体になってしまったワシの意思を継いで、ハーン様の命を果たしておくれ

マルコ「分かりました、父上、私はキリスト教伝授の為 元国へこの男と参ります

ニコロ「それでは、マルコよ、お前にこのハーン様より頂いた金杯を授けよう
それと、デオパルトに、この手紙を渡すのじゃ・・・・
ブンロクとやら、よろしく頼むぞ

ブンロク「ハーイ、合点承知ダーイ オーケ、オーケ、ケー、ケー、ケー

父、ニコロは、やや不安を抱きつつ、二人に指名を託すのであった

それではアークルの町へ・・・・・

 
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