感想
一時代を築いたと言ってもいいくらいのタイトル「夢幻の心臓」第一作目です。
この当時、アドベンチャーゲームにしてもRPGにしても、非常に難解(ある意味理不尽)な作品が多かった中で、
当時としては結構親切、ユーザフレンドリーな作品だと思います。
(あくまで、「当時としては」です)
町で話を聞いていれば多くのヒントを得られるし、金策に苦しむことがあっても対処法があったり。
ウルティマよりもよっぽど親切です!
物語は、死ぬ間際に世を呪った主人公が、目を覚ました世界「夢幻界」から始まります。
この世界から3万日以内に脱出しなければゲームオーバーとなってしまう、そんな制約があります。
この「3万日」というのがかなりゆるい条件で、実際にプレイしてみると、
わけが分からないまま進めても、わりと何とかなるレベル。
最初のプレイではゲームオーバーになったとしても、二回目、三回目のプレイでなんとかクリアできてしまう、そんな条件だと思います。
(非常に辛い序盤を乗り切ることが出来れば、の話ですが)
ちなみに、地球でいう30000日は約82年。人の一生です。
このゲームのすごいところは、一見不親切に見えて、実はかなり親切設計なところだと思います。 街で話を聞けば、(金はかかりますが、セーブロードを駆使すれば無料)かなりのヒントを得られます。 フィールドで遭遇する人型のモンスター(?)との会話から、近くにある施設が分ったりもします。
さらに、塔や洞窟にいる人型モンスターからも重要なヒントが得られます。
例えば、2の塔では「常に武器を構えていなさい」と言われますが、
これはRPGでよくある「武器屋防具は装備しないと意味がないよ」というものではなく、
ここに現れる亡霊騎士からアイテムを得る方法をさしています。
また、敵モンスターからの逃走も簡単。
逃走の可能性が低くても、攻撃が当たる可能性も低いのでノーダメージで逃げ切れることが多々あります。
また、地形によって遭遇するモンスターが異なる、というのも面白い。
道や草原といった見晴らしがいいところで出会うのは、
「農民」や「商人」「司教」といった、この世界では弱い相手ですが、そこから一歩外れた川では「海竜」という超強敵と出くわしたりもします。
この辺は覇邪の封印もそうですね。
夢幻の心臓は、体力が0になったり、期限の3万日を越えるとゲームオーバーとなり、セーブデータが消えてしまいます!!
しかし、それをも救うアイテム「不死のネックレス」が用意されているところに、
製作者の「クリアさせない」ではなく「クリアして欲しい」という気持ちが現れていると思います。
難易度は高いですが。
おもしろいのですが、やはり難点が。
それはただひとつ。
遅い
これに尽きます。
街に入りました、はい街の絵を書きます、武器屋に行きました、武器屋の絵を描きます。
敵と遭遇しました、モンスターはこんな姿です......、と
とにかく遅い!
当時では当たり前のことだったのでしょうけれど。
一応、グラフィックに色をつけないという選択肢があり、それを有効にすると多少は早くなりますが、
敵グラフィックが格好いいので、やっぱり色付きの方がいい!
それよりも「Xtal Soft」のロゴマークを無くせよ!!
と思ってします(苦笑
面白かったです。時代を感じられて。
ファミコン世代の私でも、面白くプレイできました。
国産RPGの一つの指針になった名作だと思います。