定吉七番 秀吉の黄金

感想

アドベンチャー、特に推理物、探偵物が好きな私は、当時本当にやりたかったんですよねぇ、これ!

ただ、当時はPCエンジンを持っていなかったためプレイすることは無く、長い年月を経て、ようやく遊べました。

プレイしての感想。
まず、会話のテンポがいい。
ギャグが多く、遊び心満載。
攻略には、「絶対に」不要だと思うコマンドにもメッセージが多々用意されていて、丁寧に作りこまれている感じがしました。

面白かった!

主人公(= プレイヤー)は、丁稚。
しかし、丁稚とは仮の姿で、実は工作員(つまりはスパイ)
「007」を彷彿させるくらいに、マルチな才能を発揮する主人公です。

舞台が大阪ということもあり、随所に笑いが散りばめられていて、本当に飽きさせません。

ゲームは、当時オーソドックスだった「コマンド選択型」のアドベンチャーゲーム。
大阪の各所を巡り、様々な人々から情報を得て、ときには仲間と協力し、ときには敵と直接対決し、事件を解決へと導く。
わくわくします。

しかし、おちゃらけ満載と言っても、やっぱり主人公は諜報員。
血なまぐさい場面に遭遇します。
しかも、かなり頻繁に。
ゲームの雰囲気がほのぼのだったので、まさか、とは思いましたが、かなりの数の死傷者が出ています。

このあたりのギャップは、ちょっと受け入れ難かった...。
でも、主人公というか、舞台の背景を考えれば当然の事.........、なんですが、 そもそも、敵対組織の名称が「NATTO」ですからねぇ(笑
「大阪人は納豆が嫌い!」というところからきた名前なんでしょうけれど、ここからもうふざけています(褒め言葉
こういうおちゃらけ部分と殺伐部分とのギャップがすごい。

また、ゲームオーバーになる箇所も幾つかあります。
このゲームオーバーの画像やメッセージも、一度は見ておいても損は無いと思います(笑

ゲームの進行はさほど詰まることも無く進むと思います。
移動できる場所が多く悩む場面もありますが、きちんと情報を聞いていれば、それほど無駄足は踏みませんし、 踏んだとしても、行く先々に用意されている遊び心満載のメッセージを堪能できるので、 得られる情報が皆無だったとしても、さほど苦にはなりませんでした。

話は組織の中に裏切り者がいる、という流れになる、というのもスパイ物ではお決まりです。
そして、そのスパイというのも、わりと分かりやすい感じに伏線がはってあります。

そして、最後にその伏線を回収......、やっぱりお前が!
でも、何故...?
その理由に腰が砕けます(笑

素晴らしい(苦笑

さらにさらに、最後の最後、そういえばあの人は?
というところも忘れては、忘れられてはいませんでした。
解決はしていないのですが(苦笑

面白かったです。
1回のプレイでは全ての場面、メッセージを見ることが出来ないと思うので、 結末がわかっていたとしてもまたプレイしたくなります。
発売時のプレイなら、その思いはもっと強かったんじゃないかと思います。
私が、ポートピアやオホーツク、ファミ探を何度もプレイしてしまうように。

名作です!

オープニング画面から「おはつ」「おなじみ」、そして「おなじみ」を選んで「暗号指令」を入力する画面。 ここにも大阪らしさが(笑
文字を選択するカーソルが「タコ」、その文字は鉄板にいくつもある小さな穴の中に並んでいます。
さらに、その横にはたこ焼きがずらっと並んでいて、まさしく「たこ焼き機」(笑

また、文字も大きく読みやすいので、「ゲームばっかりやってると、目が悪くなるよ!」とお母さんに叱られても、 「字が大きいから大丈夫!」なんて言い訳も出来ます(苦笑
そういえばファミコンで出ていた同じくハドソンの、ファザナドゥやサラダの国のトマト姫も字が大きかったですね。

面白かったので少し調べてみたら、実は原作が小説だった事が判明。
しかもシリ-ズ物で、007を意識しているものだとか。
だとすると、ゲーム用にアレンジされているんだろうなぁ。
かねこさんはナイスバディで定吉どんに気がありそうだし、「あれもんの、これもんで」みたいな(笑)展開もあるのか!?