ディープダンジョン 4 黒の妖術師

感想

あのディープダンジョンシリーズの第4作目です。
サブタイトルは「黒の妖術師」。
如何にも思わせぶりなサブタイトルで興味をそそられます。

物語は主人公の父フレドが殺されたことから始まります。
その父は20年ほど前にあった、人間と魔物の戦乱で活躍した「三英雄の一人」の戦士でした。 その後領主となったフレドでしたが、何者かによって殺されてしまいました。

だが一人の騎士が旅立った。
父親の仇を討つために。

そんな英雄が無残に殺されるというのが不思議で、一体犯人は誰なのか?
そしてなぜ殺されたのか?

そんな疑問を胸に、アルムの村から冒険は始まります。

村や町、森や山などの3Dで移動する場所同士の移動は、コマンドを選択するだけなので一瞬です。
また、前作の鬼畜過ぎる戦闘バランスとは違い、今作はかな~り難易度が下がっています。 そして、戦闘に勝利してもお金を獲得が出来ないところも今作の特徴だと思います。
まぁそうですよねぇ、スライムやトカゲがお金を持っているか?
と言われると、そんなわけないじゃん、というふうに思ってもしまうわけで。
ではどうやってお金を稼ぐのかというと、道端にある宝箱を開けて中にあるものを売るか、 村(町)人からの頼まれごと(クエスト)を解決してその報酬によって得る、の2パターン。
しかも、今どんなクエストを受けているのかはステータス画面で見られるので、忘れることもないんです。

なんて親切設計!!

前作までの「あの」感じとは全く違っています。

開発会社は前作までと同じ「ハミングバードソフト」なのですが、開発陣が違っていたのでしょうか?
それとも販売会社のアスミックが何かしら絡んでいるのか、全く分かりませんが前作までのディープダンジョンとは全く違います。
もっと言うと、今作はディープダンジョンぽくありません。
良RPGなので、ディープダンジョンではありません(笑

あのチープなキャラグラフィックや、どこかおかしな、でも癖になるBGM(結構好きです)もありません。
誤字脱字は多分無いと思います。
エトナひめんはもういません。

それくらいに雰囲気が違うんです。
オープニングも文字だけではなくバックに絵がついているし、町でお店に入ってもBGMは消えないし。

すげぇよ、ハミングバード!
最初からこれやってよ!

で、肝心のゲーム内容ですが、こちらも今までのシリーズ作品とは違い結構丁寧に作られていると思います。
とにかく何でも唐突だった前作までに対し、そこに辿り着くまでの道のりが僅かでも示されています。 すごくやりやすく冒険を進めやすかったのですが、これってどうなの?
とも思ってしまいました。

先程も言いましたが、これは最早ディープダンジョンではないんです。
良くも悪くも癖が強いあのゲームが、良くも悪くもやりやすいゲームになってしまいました。 もう、ディープダンジョンという名を外した方がいいと思うくらいに。

ゲームはとても面白く楽しめたのですが、やはり前作までとの違いが大きすぎて...。

ディープダンジョン」感はほぼありませんが、一つだけそれっぽいところがありました。
それは「階段」です。

そう、ディープダンジョンシリーズと言えば「はしご」のことを「かいだん」とするゲームだったわけですが、 そこは今作でもきちんと継承されていました。
それを見たときにようやく「あ、これってディープダンジョンだったんだ」と思いました(笑

思わせぶりな結末だったのは、この後続編を作る予定だったのかな?

システムもですが雰囲気もガラッと変わった今作ですが、残念ながらスーパーファミコンで続編が作られることはありませんでした。 この路線(システム)でのディープダンジョンも見てみたかったですね。
前作までのきつい難易度は今作では感じませんが、これは時代なのかもしれません。
ファミコンの前期と後期でも違いましたから。
ドラクエでも1と4では難易度が全然違いますし。
PCでゲームを出していたハミングバードソフトだからなのか最初の「魔洞戦記」ではかなりきついバランスだったのですが、 最終作になってしまった今作の「黒の妖術師」ではかなりぬるいバランスになっています。

地上に出てしまったらも最早「ディープ『ダンジョン』じゃない」という思いもありますが、今作で地上に出ていて その縛りも無くなったところだったので、続編もやってみたかったですね。
元ネタ(苦笑)のWizardryも6(BCF)で地上に出ているわけですし。