オープニング
ロンドン
いよいよホームズに借りを返すときが来たようだ。
いいか、用意しておいたものを間違いなく届けておくんだぞ。
これか?
これはホームズへのささやかな贈り物だ。
私からの挑戦状だ。
はっはっはっはっ…
セント・ジェームス・ホール ロビー
ホームズ「実に素晴らしい演奏だったね。
特にコーネルのヴァイオリンは最高だ。
ワトスン「なんと言ってもヴァイオリンがすごいよ。
さすが世界一といわれているストラディヴァリだ。
音の艶といい、その響きといい絶品だね。
ぜひ僕も一度でいいから、あのストラディバリを弾いてみたいよ。
ホームズ、この感動を忘れないうちに下宿に戻ろうじゃないか。
前回はまんまとやられてしまったが、今回はホームズ、
お前の鼻を明かしてやるぞ。楽しみに待っているがいい。
コーネル「ホームズさん、ワトスンさん、ここでお会いできるとはなんて幸運なんだ。
実は、お願いしたいことがあるんです。
ホームズさんならストラディヴァリをご存知だと思います。
世界でも数少ないヴァイオリンの名器です。
私が持っているストラディヴァリを盗んでやるという脅迫状が、今朝届いたんです。
親愛なるコーネル君
既に私の名前はお聞き及びのことと思う。
そう、あのホームズですら捕まえることの出来ない男である。君が持っているヴァイオリンの名器 ストラディヴァリを戴くことにした。
演奏会の間に必ず盗み出してみせると約束しよう。
モリアーティ教授