オープニング
私となつこは 南禅寺への道を急いでいた。
ゆみこに会えるという期待に 胸を膨らませながら・・・。
でも そこで私達を待ち受けていたのは・・・
土曜の昼下がりの南禅寺。
せみの声が当たりに鳴り響き
じっとしていても汗が噴出してくるようだ。
約束の時刻を過ぎてもゆみこは現れない。
堪りかねてなつこが呟いた・・・
なつこ「遅いわ・・・ こんなに待たせるなんて」
なつこ「ねえ おかしいと思わない?
ゆみこってめったに約束に遅れたりしなかったわ」
私の高校時代の一番の友達、それがなつことゆみこだった。
しかし 高校を卒業してから 東京の大学へ進んだゆみことは何年も会っていない。