ホワイトライオン伝説 ピラミッドの彼方に

感想

ホワイトライオン伝説 ピラミッドの彼方に

なんだか仰々しいタイトルですが、主人公は可愛らしい女の子「マリア」。
「ホワイトライオン」に関する伝説を調べるために旅立った両親を、探す旅に出たマリア(ややこしい)は、本当に普通の女の子なので、戦う力はありません。 そこでマリアの代わりに戦ってくれるのが、アイテムから呼び出す精霊達。
武器もあるにはあるのですが、装備するわけではなく、戦闘中に「使う」で攻撃します。 防具も同じく「使う」で効果を発揮します。
また、精霊たちは自分の体力と引き換えに攻撃したり魔法を唱えたりします。
こんな具合に独特の戦闘システムですが、主人公が普通の女の子だということを考えると、 世界観に非常に合っていると思います。

独特と言えば、RPG特有の名称も独特です。
「レベル」が「きぼう」、「体力」が「ゆうき」、「精霊を呼ぶ力」が「ゆめ」 とってもメルヘンです。
グラフィックも可愛らしい感じで、町の中にきのこが生えていたり、 泉には妖精が飛んでいたり、色合いも優しい感じ。
なのですが、敵モンスターは結構グロい(苦笑

戦闘中のグラフィックも凝っています。
攻撃しているキャラクタが表示され、次に攻撃されたキャラクタが表示されます。
また、マリアに関しては、 「敵と出会ったとき(不安そうな顔)」「攻撃されたとき(泣き顔)」「戦闘に勝利したとき(笑顔)」と3種類あり、 スタッフのこだわりが見えます。
が、こだわってしまったがために、テンポが悪くなってしまっているのがちょっと残念です。

そんな可愛らしいグラフィックに反して、敵の攻撃は結構熾烈。 ですが、精霊達がいますし、防具アイテムがあるのでさほど苦痛ではありません。

敵の攻撃よりも気になったのが誤字脱字。
初期に手に入る「ランプ」の精霊を呼び出すと「白髪の老人ツワナがあわれた。」
.........。
「あわれた」って...。
「あらわれた」でしょ?
誤字脱字は他にも「とうぼえ(= とおぼえ・遠吠え)」「ひきこまれま(す)よ」など何箇所かあり、結構萎えます。
平仮名だから、見落としてしまったのでしょうか?
でも...、でもでも、誤字脱字は、自分で何度読んでも気づかないことが多いんですけどね(言い訳)

また、容量のせいなのか話の展開が説明的というか、急いているというか、強引というか、唐突に感じられるところがいくつかありました。

実は、映画とのタイアップだったらしいこのゲーム。 私は疎いので、映画は見たことも聞いたこともありませんが、ヒットしたのでしょうか?
見てみたい気もしますが、レンタルショップでは見たことがない(汗

ゲームは、全体的に綺麗にまとまっている印象です。
まとまっているが故に、面白いんだけど、どことなくこじんまりとした、地味な印象を受けてしまいます。
レベルアップがアイテムなのは、主人公が普通の女の子なのだから戦闘で強くなる、ムキムキになるっていうのはどうなのよ!?
ということで世界観にあっていていいアイデアだと思うのですが、そこが逆に、製作者の意図した流れにのらなければ先に進まない、 という「一本道」の窮屈さを感じました。
これは難しいところで、レベル上げのため戦闘に時間を費やすことはありませんが、 敵が強いからレベルを上げてから先に進む、ということも出来ません。 自分の好きなように話を進めることが出来ないので、そこが窮屈に感じてしまったのかもしれません。

独自のシステムが満載で、最初は少し戸惑いましたが、すぐに慣れますし、 可愛らしいグラフィックもあいまって、まさしく絵本の中の物語のようです。

面白いのですが、何かもう一味足し引きしたら化けたんじゃないかな~、 と思わせる、そんなとてもとても惜しいゲームです。